| 📋 この記事でわかること |
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✔ DHA・EPAとは何か・どんな食品に含まれるか ✔ DHA・EPAの健康効果と処方薬との違い ✔ 手術前にDHA・EPAサプリをやめる必要がある理由 ✔ 血液をサラサラにする薬との飲み合わせ ✔ 上手な摂り方と注意点 |
「DHA・EPAのサプリを毎日飲んでいます」
薬局の窓口でこんな話をよく聞くようになりました。青魚に含まれるDHA・EPAは、テレビや雑誌でも取り上げられることが多く、健康意識の高い方を中心にサプリとして取り入れている方が増えています。
ただ、「体に良いサプリだから安心」と思っていると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。特に手術前・他の薬との飲み合わせには注意が必要です。
この記事では、DHA・EPAの効果・処方薬との違い・注意点を、薬剤師の視点からわかりやすくお伝えします。
DHA・EPAとはどんな栄養素か
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚(サバ・イワシ・サンマなど)に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸の一種です。体内ではほとんど作られないため、食事やサプリから摂取する必要がある「必須脂肪酸」です。
【DHAが多い食品】
サバ・ブリ・マグロ・サンマなど
【EPAが多い食品】
イワシ・サバ・サンマ・アジなど
DHAとEPAはどちらも青魚に多く含まれますが、それぞれ体への働きが少し異なります。
・DHA:脳・目の網膜に多く含まれ、認知機能・視力をサポートする
・EPA:血液をサラサラにする・中性脂肪を下げる作用が特に強い
💡 DHAと認知機能について
「DHAを摂ると頭が良くなる」というイメージをお持ちの方も多いと思います。実際に、DHAは脳の神経細胞の構成成分として重要な役割を担っており、複数の研究でDHAの摂取が認知機能の維持に関連することが報告されています。ただし「飲めば頭が良くなる」というものではなく、不足しないよう継続的に摂取することが大切とされています。特に加齢とともにDHAが減少しやすいため、中高年以降は意識して摂ることが推奨されています。

週2〜3回青魚を食べることで、十分なDHA・EPAを食事から摂取できます。魚を食べる習慣がない、食事で摂りにくい方はサプリの活用も選択肢のひとつです。数あるサプリの中でもDHA・EPAは私がおすすめしたいものですが、中性脂肪が高いと言われている方は、サプリより処方薬の方が有効成分量も多く効果が安定しているため、まず医師に相談することをおすすめします。
DHA・EPAの健康効果と処方薬との違い
DHA・EPAには特に「中性脂肪を下げる」効果が認められており、医薬品としても使われています。
主な健康効果:
・中性脂肪を下げる
・血液をサラサラにする(抗血小板作用)
・動脈硬化・心疾患のリスクを下げる
・炎症を抑える
・DHAは認知機能・視力のサポート
【処方薬とサプリの用量比較】
■ 処方薬(医薬品)
・エパデール(EPA製剤):1日あたりEPA 1,800mg
・ロトリガ(EPA+DHA製剤):1日あたりEPA 930mg+DHA 750mg
■ 市販サプリメント(一般的な目安)
・1日あたりDHA+EPA 合計300〜600mg程度のものが多い
💡 処方薬は一般的なサプリの3〜6倍程度の有効成分量が確保されています。また処方薬は有効成分の含有量・品質が厳密に管理されているのに対し、サプリは含有量にばらつきがあり、効果の保証はありません。
「中性脂肪が高いと言われた」「血液をサラサラにしたい」という方は、サプリより先にまず医師に相談することをおすすめします。

「サプリを飲んでいるから大丈夫」とおっしゃる方がいますが、サプリは医薬品ではないため効果の保証はありません。健康診断で中性脂肪が高かった方は、ぜひ一度医師か薬剤師に相談してみてください。
手術前にDHA・EPAサプリをやめる必要がある理由
「体に良いサプリだから手術前でも大丈夫」と思っていませんか?実はDHA・EPAには「血液を固まりにくくする(抗血小板)作用」があります。
手術中・手術後は傷口を止血する必要があります。そのタイミングでDHA・EPAの効果が残っていると、出血が止まりにくくなるリスクがあります。
⚠️ 手術前の休薬期間の目安:
医薬品のEPA製剤に準じると、術前7〜10日程度の休薬が目安とされています。ただしサプリの場合、明確な基準はないため、手術が決まったら担当医・薬剤師に必ず申告してください。
特に注意が必要な方:
・DHA・EPAのサプリを日常的に飲んでいる
・手術・抜歯・内視鏡検査(生検あり)を予定している
・他に血液をサラサラにする薬(バイアスピリン・ワーファリンなど)を飲んでいる
💡 サプリは「薬ではないから申告しなくていい」と思っている方が多いですが、手術前は飲んでいるサプリをすべて医師・薬剤師に伝えることが大切です。

「サプリだから申告しなくていいか」と思う方が多いですが、薬と同じように体に影響を与えるものです。手術前の問診票には必ずサプリメントも記載してください。わからないことは薬剤師に気軽に相談してください。
DHA・EPAの上手な摂り方と注意点
✅ 食事から摂るのが基本
週2〜3回青魚(サバ・イワシ・サンマ)を食べることで、十分なDHA・EPAが摂取できます。缶詰(サバ缶・イワシ缶)も手軽でおすすめです。
✅ サプリを選ぶときのポイント
・DHA・EPAの含有量が明記されているものを選ぶ
・酸化防止剤(ビタミンEなど)が配合されているものが望ましい
・開封後は冷暗所で保管し早めに使い切る
✅ 他の薬を飲んでいる方は薬剤師に相談
血液をサラサラにする薬(バイアスピリン・ワーファリン・プラビックスなど)と一緒に飲むと、出血リスクが高まる可能性があります。必ず薬剤師に確認してください。
✅ 摂りすぎに注意
DHA・EPAは過剰摂取すると出血傾向が強まる可能性があります。サプリの場合は用法・用量を守って使用してください。

サバ缶は手軽にDHA・EPAが摂れておすすめです。ただしサバ缶は塩分が高めのものもあるので、高血圧の方は食塩不使用タイプを選ぶようにしてください。
まとめ
✅ DHA・EPAは青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸。体内では作られないため食事やサプリで摂取する
✅ 中性脂肪を下げる・血液をサラサラにする・動脈硬化予防などの効果がある
✅ 中性脂肪が高い方はサプリより処方薬(エパデール・ロトリガ)の方が効果が安定している
✅ DHA・EPAには抗血小板作用があるため、手術前は7〜10日程度の休薬が必要
✅ サプリでも手術前には必ず医師・薬剤師に申告する
✅ 血液をサラサラにする薬との併用は出血リスクが高まる可能性がある

DHA・EPAは正しく摂れば健康をサポートしてくれる大切な栄養素です。ただ「体に良いから」と何も考えずに飲み続けるのではなく、自分の体の状態や目的に合った使い方を心がけてください。わからないことは薬剤師に気軽に聞いてください。
【参考文献・出典】
・エパデール 添付文書(マルホ株式会社)
・ロトリガ 添付文書(アステラス製薬株式会社)
・プレアボイドニュース2024年4月号「サプリメントの術前休薬を確認した例」(愛媛大学医学部附属病院薬剤部)
・厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業 eJIM

