| 📋 この記事でわかること |
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✔ カルシウムの体内での役割 ✔ 1日の推奨摂取量と日本人が不足しがちな理由 ✔ カルシウムの摂りすぎで起こりうるリスク ✔ ビタミンDとの関係・一緒に摂るべき理由 ✔ 食事から効率よく摂る方法 |
「カルシウムは骨にいいから、たくさん摂った方がいい」
そう思って牛乳を毎日飲んだり、カルシウムサプリを飲んでいる方も多いと思います。確かにカルシウムは骨や歯に不可欠な栄養素であり、不足すると骨粗しょう症のリスクが高まります。
ただ「摂れば摂るほどいい」かというと、そうではありません。過剰摂取には思わぬリスクが潜んでいます。またカルシウムだけを摂っても、ビタミンDが不足していると骨への吸収が大幅に低下します。
この記事では、カルシウムの正しい摂り方・摂りすぎのリスク・ビタミンDとの関係を薬剤師がわかりやすく解説します。
カルシウムの体内での役割
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルで、成人の体内に約1kgあります。その約99%は骨と歯に存在し、残りの約1%が血液・筋肉・神経内でカルシウムイオンとして働いています。
【骨・歯の形成以外の重要な役割】
・血液の凝固(出血を止める)
・筋肉の収縮(心臓の動きも含む)
・神経の興奮性の調節
・ホルモンの分泌調節
血液中のカルシウム濃度は非常に厳密に保たれており、食事からの摂取が足りないと骨から溶け出して補われます。これが長期間続くと骨密度が低下し、骨粗しょう症につながります。
【1日の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準2025年版)】
・成人男性:750mg(18〜29歳は800mg)
・成人女性:650mg(75歳以上は600mg)
日本人は慢性的にカルシウムが不足しがちで、平均摂取量は推奨量を下回っているとされています。

カルシウムは骨だけでなく、心臓を動かす・血を止めるなど生命維持に欠かせない栄養素です。不足しないように摂ることは大切ですが、だからといって摂りすぎれば良いわけではありません。
カルシウムの摂りすぎで起こりうるリスク
カルシウムの耐容上限量(これ以上摂ると健康被害のリスクが高まる量)は成人で1日2,500mgとされています。食事だけでこの量を超えることは考えにくいですが、サプリメントを使用する場合は注意が必要です。
【過剰摂取で起こりうるリスク】
① 腎結石
カルシウムの過剰摂取はシュウ酸カルシウムの結石ができやすくなるリスクがあります。ただし食事由来のカルシウムはむしろ腎結石を予防する方向に働くことが多く、サプリメントによる過剰摂取が問題になりやすいとされています。
② 心筋梗塞リスクの上昇
「日本人の食事摂取基準2025年版」では、特にサプリメントで1日1,000mg以上のカルシウムを摂取した場合に心筋梗塞のリスク上昇が報告されており、慎重になるべきとされています。
③ 他のミネラルの吸収阻害
カルシウムを過剰に摂ると、鉄・亜鉛・マグネシウムなど他のミネラルの吸収が妨げられることがあります。
⚠️ 「カルシウムサプリを大量に飲めば骨が丈夫になる」は誤解です。中高年においてカルシウム摂取量を増やしても、骨密度の低下や骨折を予防する効果は小さいとされています(食事摂取基準2025年版)。

「骨のためにカルシウムサプリを飲んでいます」という方が多いですが、1日1,000mg以上のサプリは心筋梗塞リスクとの関連が報告されています。サプリはあくまで食事で不足する分を補う目的で、量を守って使うことが大切です。
カルシウムだけ摂っても意味がない?ビタミンDとの関係
カルシウムを食事やサプリで摂っても、ビタミンDが不足していると腸からの吸収率が大幅に低下します。カルシウムとビタミンDはセットで考えることが大切です。
【ビタミンDの主な役割】
・小腸でのカルシウム吸収を促進する
・腎臓でのカルシウム再吸収を促進する
・骨の形成・維持をサポートする
【ビタミンDを増やす方法】
・日光浴:紫外線を受けると皮膚でビタミンDが合成されます。1日15〜30分程度の日光浴が目安です。
・食事:鮭・イワシ・サンマ・しらす・きのこ類に多く含まれます。
・サプリメント:食事・日光浴で不足する場合の補助として活用できます。
💡 特に日本人は日光浴の機会が少ない冬場や、屋内での生活が多い方はビタミンD不足になりやすいとされています。カルシウムとビタミンDの両方を意識することが骨の健康につながります。

カルシウムサプリを飲んでいる方でも、ビタミンDが不足していれば骨への吸収は期待できません。「カルシウム+ビタミンD」が一緒になったサプリを選ぶか、日光浴と食事でビタミンDも意識して摂ることをおすすめします。
食事から効率よくカルシウムを摂る方法
カルシウムは食事から摂るのが基本です。食品によって吸収率が異なります。
【カルシウムが多い食品と吸収率の目安】
・牛乳・乳製品(チーズ・ヨーグルト):吸収率約40%。最も効率が良い。
・小魚(しらす・ちりめんじゃこ・いわし):吸収率約33%
・大豆製品(豆腐・納豆・厚揚げ):吸収率約17%
・緑黄色野菜(小松菜・ブロッコリー・ひじき):吸収率約19%
【吸収を高める食べ合わせ】
・ビタミンDと一緒に摂る(鮭・きのこ類など)
・クエン酸と一緒に摂る(レモン・酢など)
【吸収を妨げる食べ合わせ・習慣】
・食塩の摂りすぎ(尿中へのカルシウム排泄が増える)
・カフェインの過剰摂取
・リンの多い食品(加工食品・スナック菓子)の摂りすぎ
・喫煙・過度なアルコール

牛乳が苦手な方は小魚・豆腐・小松菜などを意識して取り入れてみてください。毎食少しずつ組み合わせるだけで推奨量に近づきやすくなります。サプリに頼る前にまず食事の見直しを試してみてください。
まとめ
✅ カルシウムは骨・歯だけでなく心臓・筋肉・神経の働きにも必要な重要ミネラル
✅ 1日の推奨量は成人男性750mg・成人女性650mg(食事摂取基準2025年版)
✅ サプリで1日1,000mg以上摂ると心筋梗塞リスク上昇の報告あり・過剰摂取に注意
✅ カルシウムだけ摂ってもビタミンDが不足していると吸収されにくい
✅ まず食事(乳製品・小魚・豆腐・緑黄色野菜)からの摂取を優先する
✅ サプリは食事で不足する分を補う目的で、量を守って使う

「カルシウムは多ければ多いほどいい」ではなく「適切な量を、ビタミンDと一緒に、食事から摂る」が正解です。サプリの量や選び方で迷ったときはぜひ薬剤師に相談してください。
【参考文献・出典】
・日本人の食事摂取基準(2025年版)(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
・カルシウム(e-ヘルスネット 厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html

