健康診断の「異常なし」の過信はダメ!|薬剤師が気にする検査値とは

健康・予防の話

📋 この記事でわかること
「異常なし」の基準値が意味すること
「ギリギリ正常」が実は危ない理由
薬剤師が特に注目する4つの検査値
異常なしでも薬剤師に相談してほしいケース
来年の健康診断までにできること

「今年も異常なしでした!」

健康診断の結果を手に、ほっとした経験はありませんか?

実は薬剤師として結果票を見せてもらうと、「異常なし」の中に気になる数値が隠れていることがよくあります。「基準値内だから大丈夫」と思っていたのに、数年後に生活習慣病が発覚するケースも少なくありません。

この記事では、薬剤師が健康診断結果で特に注目する検査値と、「異常なし」でも油断できない理由をわかりやすくお伝えします。

「異常なし」の基準値とは何か

健康診断の基準値は「健康な人の約95%が入る範囲」をもとに設定されています。つまり、健康な人でも約5%は基準値から外れることがあり、逆に基準値内でも将来的に病気になるリスクがゼロというわけではありません。

基準値はあくまでも「統計的な平均の範囲」であり、「その数値なら絶対に健康」という保証ではないのです。

⚠️ 特に注意してほしいのは「基準値内のギリギリ」の状態です。例えば血圧が「129/84mmHg」は基準値内ですが、高血圧の手前(正常高値)にあたります。今は問題なくても、放置すると数年で高血圧になる可能性があります。

Ph.そら
Ph.そら

薬局でお薬手帳と一緒に健康診断の結果票を見せてくださる方がいます。「異常なしだったので安心しました」とおっしゃっても、数値をよく見ると気になることがあります。ぜひ薬剤師にも見せてみてください。

薬剤師が特に注目する4つの検査値

薬剤師として患者さんの検査値を日常的に確認しているなかで、特に「ギリギリ正常」が気になる項目があります。

① 血圧(収縮期血圧/拡張期血圧)

基準値:収縮期血圧 140mmHg未満/拡張期血圧 90mmHg未満

注目ポイント:130〜139/80〜89mmHgの「正常高値」は要注意です。この範囲は「異常なし」と判定される場合もありますが、高血圧の手前の状態です。特に健康診断時だけ正常で、日常では高い「白衣高血圧」のケースもあるため、家庭での血圧測定も重要です。

💡 薬剤師からのアドバイス:家庭用血圧計で朝晩測定する習慣をつけましょう。朝は起床後1時間以内・トイレ後・食事前に測るのが基本です。

② 血糖値・HbA1c

基準値:空腹時血糖 126mg/dL未満/HbA1c 6.5%未満

注目ポイント:空腹時血糖が100〜125mg/dLの「境界型(糖尿病予備群)」、HbA1cが5.6〜6.4%の範囲は「異常なし」でも将来的に糖尿病に移行するリスクがあります。糖尿病は自覚症状がないまま進行し、気づいたときには合併症が出ていることも少なくありません。

💡 薬剤師からのアドバイス:食後に眠くなりやすい・喉が渇きやすいという自覚がある方は、血糖値の変動が大きい可能性があります。食後血糖の測定も検討してみてください。

③ LDLコレステロール(悪玉コレステロール)

基準値:140mg/dL未満

注目ポイント:LDLコレステロールは「120〜139mg/dL」でも境界域です。特に糖尿病・高血圧・喫煙など他のリスク因子がある方は、LDLが基準値内でも動脈硬化が進みやすい状態になっています。「コレステロールが高め」と言われたことがある方は要注意です。

💡 薬剤師からのアドバイス:コレステロールは食事だけでなく遺伝的な要因も大きいです。食事制限だけで改善しない場合は早めに医師に相談することをおすすめします。

④ eGFR(腎機能の指標)

基準値:60mL/分/1.73㎡以上

注目ポイント:eGFRは腎臓のろ過機能を示す数値です。60以上は「異常なし」とされますが、60〜74の範囲は腎機能がやや低下しはじめているサインです。腎機能は一度低下すると回復しにくく、薬の種類や用量にも影響します。特に高齢者や糖尿病・高血圧がある方は注意が必要です。

💡 薬剤師からのアドバイス:腎機能が低下している方は、市販の鎮痛剤(NSAIDs)の長期使用が腎臓に負担をかけることがあります。痛み止めを常用している方は薬剤師に相談してください。

Ph.そら
Ph.そら

この4つの検査値はどれも「薬との関係が深い項目」です。数値が基準値ギリギリの方は、市販薬を選ぶときにも注意が必要なことがあります。薬局でお気軽に相談してください。

薬の影響で異常値が出ていることも?

「検査値が少し高い」と言われたとき、実は飲んでいる薬が原因のことがあります。薬剤師として見落とされがちだと感じるケースをいくつかご紹介します。

血糖値・HbA1cが上がる薬

ステロイド薬(プレドニゾロンなど)は血糖値を上げる作用があります。喘息・リウマチ・アレルギーなどで長期服用している方は、健康診断で血糖値が高めに出ることがあります。また利尿薬(サイアザイド系)も血糖値に影響することがあります。

⚠️ ステロイドを飲んでいる方は、健康診断の結果を医師・薬剤師に必ず伝えてください。薬による影響かどうかの判断が必要です。

コレステロール・中性脂肪が上がる薬

ステロイド薬や一部の降圧薬(β遮断薬)は中性脂肪やコレステロールを上昇させることがあります。また、女性ホルモン製剤(ピルなど)もコレステロール値に影響することがあります。

「食事に気をつけているのにコレステロールが下がらない」という方は、服用中の薬が関係しているかもしれません。

腎機能(eGFR)に影響する薬

市販の鎮痛剤(ロキソニン・イブプロフェンなど)を長期間・頻繁に使っている方は、腎機能が低下するリスクがあります。また造影剤を使った検査の後や、抗生物質の一部も腎機能に影響することがあります。

💡 痛み止めを週に何度も使っている方は、ぜひ一度薬剤師に相談してください。腎臓に負担をかけにくい代替薬を提案できる場合があります。

Ph.そら
Ph.そら

健康診断を受ける前に「今飲んでいる薬」を医師や検査担当者に伝えることが大切です。薬の影響で数値が変わることがあるため、正確な評価のためにも必ず申告してください。

「異常なし」でも薬剤師に相談してほしいケース

以下に当てはまる方は、「異常なし」でも薬剤師や医師に一度相談することをおすすめします。

✅ 毎年少しずつ数値が上がっている(トレンドが気になる)
✅ 複数の項目がギリギリ正常値に近い
✅ 家族に生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の人がいる
✅ 市販の痛み止めや風邪薬を頻繁に使っている
✅ 健康診断以外で血圧や血糖を測ったことがない

特に「毎年少しずつ数値が上がっている」は重要なサインです。今年の結果だけでなく、過去数年分の結果と比較することを習慣にしてください。

Ph.そら
Ph.そら

「毎年少しずつ上がっている」という変化に気づいてほしいです。1回の結果だけでなく、数年分を並べて見ると体の変化がよくわかります。健康診断の結果票はぜひ捨てずに保管しておいてください。

来年の健康診断までにできること

「異常なし」だった今が、生活習慣を見直す最大のチャンスです。病気になってから変えるより、今のうちに少しずつ改善しておく方がずっと楽です。

✅ 家庭用血圧計で朝晩の血圧を記録する習慣をつける
✅ 塩分は1日6g未満を意識する(味噌汁は具だくさんにして汁を減らす)
✅ 食後30分のウォーキングを取り入れる(血糖値の上昇を抑える効果あり)
✅ 健康診断の結果票を毎年保管して数値の変化を確認する
✅ 市販薬を選ぶときは薬剤師に検査値を伝える

どれも特別なことではありません。でも続けることで、来年の健康診断の結果が変わってきます。

Ph.そら
Ph.そら

「異常なし」の今こそ行動するタイミングです。病気になってから後悔しないために、できることから少しずつ始めてみてください。薬や数値のことで気になることがあれば、いつでも薬局の薬剤師に相談してください。

まとめ

✅ 「異常なし」の基準値は統計的な平均範囲であり、絶対的な安全の保証ではない
✅ 「ギリギリ正常」の血圧・血糖・LDL・eGFRは特に注意が必要
✅ 毎年少しずつ数値が上がっているトレンドは重要なサイン
✅ 複数の項目がギリギリ正常値に近い場合は医師・薬剤師に相談を
✅ 「異常なし」の今こそ生活習慣を見直すチャンス

Ph.そら
Ph.そら

健康診断は「異常なし」で終わりではなく、「来年に向けてどう動くか」のスタートラインです。結果票を見て気になることがあれば、ぜひ薬剤師に気軽に声をかけてみてください。

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