吸入薬、実は使い方を間違えている人が多いです——正しい使い方と続け方のコツ

薬の話

この記事でわかること

  • 吸入薬を基本的にやめられない理由
  • 途中でやめてしまう理由と対処法
  • 費用が理由で続けられないときの相談先
  • 共通して意識したい正しい吸入のコツ
  • うまく吸入できないときの「吸入補助具」という選択肢

喘息やCOPDの治療で処方される吸入薬は、正しく使えているかどうかで効果が大きく変わります。今回は、吸入薬を使ううえで特に見落とされがちなポイントと、続けるための工夫についてお伝えします。

吸入薬は「治ったらやめる薬」ではありません

吸入薬は、気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療に使われる薬です。どちらの病気も、現在の医療では完治するものではなく、症状をコントロールしながら付き合っていく病気とされています。そのため、吸入薬は基本的に一生涯にわたって続けていく薬という位置づけになります。

Ph.そら
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症状が良くなったのは、薬の効果が出ている証拠です。「治った」のではなく「コントロールできている」状態だと考えてください。

途中でやめてしまう理由はさまざま

実際の現場では、吸入薬を自己判断でやめてしまう方を数多く見てきました。理由として多いのは、次のようなものです。

・症状が良くなったので、治ったと思ってやめてしまう
・症状が落ち着いているうちに、使うのが面倒になり、そのままやめてしまう
・薬の値段が高く、続けるのが負担になる
・使ってはいるが、息苦しさが十分に取れない

このうち、「良くなったからやめる」「使うのが面倒になる」の2つは、薬を続ける必要性についての説明が十分に伝わっていないことが背景にあるケースが多いと感じています。

Ph.そら
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症状が落ち着いている今の状態こそ、薬がしっかり効いているサインです。自己判断でやめる前に、一度相談してほしいです。

費用が理由で続けられないときは

吸入薬は、他の薬と比べてジェネリック医薬品が少なく、費用の負担が大きくなりやすい薬でもあります。この点をすぐに解決するのは難しいのが正直なところですが、「続けたいのに費用の面で続けられない」という場合は、我慢せず医師や薬剤師に相談してください。薬の種類を変更することで、自己負担を下げられる場合があります。

Ph.そら
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費用の心配で自己判断をせず、まずは相談してみてください。選択肢が他にもある場合があります。

効果を感じにくいときは、使い方に原因があることも

吸入薬を使っていても息苦しさが十分に改善しない場合、薬が合っていないというより、吸入の仕方がうまくいっていないことが原因になっているケースが少なくありません。一度、薬剤師の前で実際に吸入する様子を見てもらうことをおすすめします。

薬局では、実際に吸入する様子を確認しながら、吸うタイミングや強さ、息を止める長さなど、デバイスごとのポイントに沿ってチェックすることができます。自己流のクセに、本人だけではなかなか気づけないことも多いため、定期的に確認してもらうと安心です。

共通して意識したい、正しい吸入のコツ

吸入薬はデバイスの種類によって細かい操作が異なりますが、共通して意識したいポイントがあります。

✅顎を軽く上げて、気道をまっすぐにしてから吸入する
✅「強く短く」ではなく「長く深く」吸い込む
✅吸入後は5秒ほど息を止め、その後ゆっくり吐き出す

この基本を意識するだけでも、薬が気道の奥まで届きやすくなり、効果を感じやすくなることがあります。

Ph.そら
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同じ薬でも、吸い方次第で効果の実感は変わります。使い方に不安があれば、遠慮なく薬剤師に見てもらってください。

うまく吸入できないときは「吸入補助具」も選択肢に

吸う力が弱い方や、タイミングを合わせるのが難しい方のために、ほとんどの吸入薬には、それぞれに対応した吸入補助具が用意されています。加圧式のタイプであれば、スペーサーと呼ばれる補助器具を使うことで、吸うタイミングと噴射のタイミングを合わせやすくなります。ドライパウダー式でも、吸入をサポートする器具が用意されている製品があります。

これらの補助具は、多くの場合、薬局に相談すれば無料で取り寄せてもらうことができます。「うまく吸えていない気がする」と感じたときは、我慢して使い続けるのではなく、補助具という選択肢があることを、まず薬剤師に相談してみてください。

デバイスの種類によって注意点も変わる

吸入薬には、大きく分けて「ドライパウダー式(DPI)」「加圧式定量噴霧式(pMDI)」など、いくつかのタイプがあります。ドライパウダー式は、粉末を自分の吸う力で吸い込むタイプのため、しっかり長く深く吸い込む力が必要です。一方、加圧式は薬剤が自動的に噴射されるため、吸うタイミングと噴射のタイミングを合わせる必要があります。

自分が使っている吸入薬がどのタイプかによって、意識すべきポイントが少し変わってきます。処方されたときに、どちらのタイプか、どんな点に注意すればいいかを確認しておくと安心です。

よくある疑問

吸入後にうがいは必要ですか?

特に吸入ステロイド薬を使った後は、口の中や喉に薬が残ることで、口腔カンジダ症や声のかすれなどが起こることがあります。吸入後はうがいをする習慣をつけることをおすすめします。

発作が出たときに使う吸入薬と、毎日使う吸入薬は違いますか?

はい。発作時にすぐ気道を広げる「発作治療薬(リリーバー)」と、日常的に炎症や気道の状態をコントロールする「長期管理薬(コントローラー)」は役割が異なります。処方されている吸入薬がどちらの役割か分からない場合は、薬剤師に確認してください。

高齢の家族がうまく吸入できていないようです。何か対策はありますか?

加圧式のタイプであれば、スペーサーという補助器具を使うことで、吸うタイミングと噴射のタイミングを合わせやすくなります。ほとんどの吸入薬には、それぞれに対応した吸入補助具が用意されており、薬局に相談すれば取り寄せてもらうことができます。また、握力や吸う力が弱い場合は、より少ない力で使えるタイプのデバイスに変更できることもあります。うまく吸入できていないと感じたら、一度薬剤師に相談し、本人に合った補助具やデバイスを一緒に考えてもらうことをおすすめします。

まとめ

✅喘息・COPDは完治しない病気のため、吸入薬は基本的に一生続ける薬です
✅「良くなったから」「サボりがち」でやめてしまう方が多く見られます
✅費用で続けられないときは、薬の変更で負担を下げられる場合があります
✅顎を上げて、長く深く吸い、5秒息を止めるのが共通のコツです
✅うまく吸入できないときは、吸入補助具という選択肢もあります

Ph.そら
Ph.そら

吸入薬は、続けることと正しく使うことの両方が大切です。不安なことがあれば、遠慮なく薬剤師に相談してください。

【参考文献】
・独立行政法人環境再生保全機構「セルフマネジメント③ 薬物療法|ぜん息などの情報館」
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/about/09.html
・レバウェル看護「気管支喘息やCOPDで使用される『吸入薬』の使い分けを薬剤師が解説!」
https://kango-oshigoto.jp/media/article/66914/

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