【この記事でわかること】
✅ 胃薬の種類と症状別の選び方
✅ ガスター・キャベジン・パンシロンの違い
✅ 2025年新登場のPPI市販薬とは?
✅ 「これは病院へ行くべき」判断基準
胃が痛い、胃がもたれる…そんなときドラッグストアに行っても種類が多すぎて「結局どれ?」となっていませんか?
実は胃薬は症状によって選ぶべき成分が異なります。この記事では調剤薬局で20年以上勤務した薬剤師が、代表的な市販胃薬の選び方と「これは病院へ行くべき」判断基準までわかりやすく解説します。
胃の不調、あなたはどのタイプ?
胃薬を選ぶ前に、まず自分の症状がどのタイプかを確認しましょう。胃の不調は大きく3つに分けられます。
🔴 胃酸が多すぎるタイプ
✅ 胸焼け、げっぷ、酸っぱいものが込み上げてくる感じ
✅ 空腹時や食後しばらくしてから痛む
✅ 脂っこいもの・アルコール・コーヒーの後に悪化しやすい
🟡 胃の動きが悪いタイプ
✅ 食後の胃もたれ、重さ、膨満感
✅ いつまでも食べ物が残っている感じ
✅ 食欲がわかない
🟢 胃の粘膜が荒れているタイプ
✅ 鈍い痛みが続く
✅ 空腹時・朝起きたときに痛みやすい
✅ ストレスや痛み止めを飲んだ後に悪化しやすい

「胃薬」とひとくくりにされていますが、タイプが違えば効く成分もまったく違います。次のセクションでそれぞれに対応する市販薬を解説します。
症状別・市販胃薬の選び方
🔴 胃酸が多すぎるタイプにはこれ
胃酸を抑える市販薬には、効果の強さが異なる2種類があります。
① ガスター10(H2ブロッカー)
胃酸の分泌を抑える定番薬。飲みすぎ・食べすぎ後の一時的な胸焼けや急な胃痛に向いています。価格は比較的手ごろです。
⚠️ 80歳以上の方は使用不可。連続使用は2週間まで。

② パリエットS・タケプロンS(PPI)
2025年6月から登場した、市販薬では最も新しいカテゴリーです。H2ブロッカーより胃酸を強力に抑える効果があり、症状が強い方や繰り返す胸焼けに向いています。1日1回服用で24時間効果が持続します。ただし価格はガスター10より高めです。
⚠️ 要指導医薬品のため、薬剤師がいる薬局での購入、またはオンライン服薬指導を行っている薬局でのネット購入が必要です。
🟡 胃の動きが悪いタイプにはこれ
食後の胃もたれや重さには、消化を助ける成分が入った薬が向いています。
① キャベジンコーワα
キャベツから発見されたビタミンU(メチオニン)が胃の粘膜を修復し、消化酵素が食べ物の消化を助けます。食べすぎ・飲みすぎ後の胃もたれに長年使われてきた定番薬です。

② 太田胃散(粉末タイプ)
生薬成分と消化酵素・制酸剤を組み合わせた複合タイプ。胃もたれだけでなく、食欲不振や胃の重さにも幅広く対応します。粉末タイプは効果の発現が錠剤より早い傾向があります。

🟢 胃の粘膜が荒れているタイプにはこれ
鈍い痛みや空腹時の痛みには、胃の粘膜を守る・修復する成分が入った薬が向いています。
① セルベール
胃の粘膜を直接保護してコーティングする働きがあります。痛み止め(ロキソニン・バファリンなど)を飲んでいる方の胃荒れにも使われます。

② パンシロン
制酸剤+消化酵素+粘膜保護成分を組み合わせた複合タイプ。症状が複合的な方に向いています。


実は胃の粘膜が荒れている状態には、粘膜保護薬よりPPIの方が効果的とされています。ただしこのタイプは市販薬で様子を見るより、早めに受診して原因を調べることをおすすめします。
こんな症状が出たら市販薬より先に病院へ
市販の胃薬は一時的な症状を和らげるものです。以下に当てはまる場合は、薬で症状を抑えようとせず早めに受診してください。
🚨 すぐに受診すべきサイン
✅ 黒いタール状の便が出た(胃や十二指腸からの出血の可能性)
✅ 血を吐いた、または吐いたものにコーヒー色のものが混じる
✅ 激しい腹痛で動けない
⚠️ 早めに受診した方がいいサイン
✅ 市販薬を2週間飲んでも症状が改善しない
✅ 症状が繰り返す・だんだん悪化している
✅ 原因不明の体重減少がある
✅ 食事がとれないほど食欲がない
✅ 夜中に目が覚めるほどの痛みがある
✅ ストレスが長期間続いていて胃の不調が治まらない
💊 他の薬を飲んでいる方は要注意
痛み止め(ロキソニン・バファリンなど)を日常的に飲んでいる方は胃荒れのリスクが高まります。また現在何らかの薬を定期的に飲んでいる方は、市販の胃薬を使う前にかかりつけ医または薬剤師に相談してください。

胃薬は症状を和らげる力がある分、重大な病気のサインを隠してしまうことがあります。「薬を飲めば治る」と思っていたら実は胃がんだった、というケースは決して珍しくありません。長引く胃の不調は必ず医師に診てもらってください。
まとめ:症状別・市販胃薬早見表
| 症状 | タイプ | おすすめ市販薬 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 胸焼け・酸っぱいものが込み上げる | 胃酸過多 | ガスター10、パリエットS、タケプロンS | 2週間まで |
| 食後の胃もたれ・重さ・膨満感 | 胃の動きが悪い | キャベジンコーワα、太田胃散 | 2週間以上続くなら受診 |
| 鈍い痛み・空腹時の痛み | 胃粘膜の荒れ | セルベール、パンシロン | 早めに受診推奨 |
最後に薬剤師からひとこと
病院を受診する時間がない…そんな時に市販の胃薬は心強い味方です。ただ症状が長引く・繰り返す場合や原因に心当たりがないような場合は市販薬だけでの対応は危険です。そんな時は早めに受診して、本当の原因を調べることをおすすめします。
薬の選び方で迷ったときは、ドラッグストアや薬局の薬剤師に気軽に相談してみてください。

胃の不調が続くときは、ぜひかかりつけの薬剤師にも気軽に声をかけてください。一緒に考えます!

