訪問診療の始め方|通院が難しくなったときに読む記事【薬剤師が解説】

在宅薬剤師

高齢の親が通院できなくなったとき、どうすればいいかわからないという家族の方は多いと思います。そんなときに活用できるのが「訪問診療」です。

在宅訪問経験約20年・在宅患者100人以上を担当している現役薬剤師が、訪問診療の始め方をわかりやすく解説します。

訪問診療を受けるには「通院困難」であることが条件となっています。ここで注意してほしいのは「通院できない」ではなく「通院困難」という点です。

例えば以下のようなケースが通院困難に該当します:

・一人では通院できず、毎回家族の付き添いが必要
・移動に著しく体力を消耗する
・認知症などで一人での通院が難しい
・別居している家族が病院に連れてきている

つまり「なんとか通院できている」状態でも通院困難に該当する場合があります。「うちの親はまだ通院できているから…」と思っている方も、一度かかりつけ医に相談してみてください。

最初のステップはシンプルです。今通っているかかりつけ医に「通院が難しくなってきた」と相談してみてください。

パターンA:かかりつけ医が訪問診療をやっている場合
→ そのままお願いすればOKです。

パターンB:かかりつけ医が訪問診療をやっていない場合
→ 次のステップへ進みます。

かかりつけ医が訪問診療に対応していない場合、いくつかのパターンがあります。

パターン①:かかりつけ医が紹介状を書いてくれる場合
→ 紹介先にお任せすればOKです。(下の注意点を必ず一読ください)

パターン②:紹介先がわからない場合(介護認定を受けている)
→ 担当のケアマネに相談してみましょう。

パターン③:紹介先がわからない場合(介護認定を受けていない)
→ まず市町村の役所で介護認定の申請手続きを行いましょう。

注意点!

訪問診療医を紹介してもらう場合、紹介先の医師によって対応できることに差がありますので、訪問診療を専門として行っている医療機関を選ぶことをおすすめします。ですので、紹介となった場合は出来ればその場で決定はせずに持ち帰り、ケアマネ等に相談することをオススメします。

訪問診療医が決まるとクリニックから連絡が来ます。ケアマネも医師と連携をとるので担当者会議が開かれることが多いです。

担当者会議・契約時に確認すること:
・契約書の内容
・訪問の日程
・緊急時の対応方法
・費用・支払い方法 など

費用の目安(介護保険1割負担の場合)
月6,000円前後が目安です。病院によって、または緊急訪問の利用などで多少前後することがあります。

訪問診療が始まると、訪問薬剤師の利用も検討することになりますが、必ずしも必須ではありません。

こんな場合は訪問薬剤師が不要かもしれません:
・家族が薬局に薬を取りに行ける
・利用者本人または家族で薬の管理ができる

ただしこんなリスクがあります:
夜間や日曜・祝日などの休日に緊急訪問があった場合、空いている薬局が見つけられないと休みが明けるまで薬を受け取れない可能性があります。

訪問薬剤師を利用する場合の費用:
薬代の他に居宅療養管理指導費として1回の訪問につき518円(介護保険1割負担の場合)かかります。月2回の訪問が一般的なため、月1,036円の費用がかかります。

居宅療養管理指導には以下が含まれます:
・薬の配達
・残薬の管理
・服薬状況の確認(飲み忘れ・副作用など)
・夜間・休日対応(24時間365日)

訪問薬剤師との契約は最初にしなくても後から契約できます。まずは自分でやってみて、大変だったり手間だと感じたなら改めて契約すれば良いと思います。

薬局で訪問診療の話をすると「そんなことしてもらえるんですね!」と驚かれることがよくあります。もちろん通院するより費用はかかりますが、会社を休まなくてもよい、病院や薬局での待ち時間もない、そして希望があれば病院ではなく自宅で最期の時を迎えることもできます。

ご家族でよく相談のうえ、一度検討してみてはいかがでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました