【この記事でわかること】
✅ エンシュア・ラコールなどの保険給付が変わる
✅ 現場の薬剤師から見た今回の改定への本音
✅ 処方してもらえなくなった場合の市販の代替品
✅ 市販の栄養補助食品の選び方・各商品のメリット
「エンシュアが保険で出なくなるらしい」という話を聞いたことはありますか?
2026年6月の診療報酬改定で、エンシュア・リキッドやラコールなどの栄養剤の保険給付に大きな変更が加えられます。これまで当たり前のように処方されていた栄養剤が、条件によっては処方してもらえなくなるケースが出てきます。
今回は現場の薬剤師として、この改定の内容と率直な意見、そして処方してもらえなくなった場合の市販の代替品についてお伝えします。
2026年6月から何が変わるのか
エンシュア・リキッド、ラコール、イノラスなどの栄養剤は、これまで医師の判断で比較的自由に処方されてきました。
しかし2026年6月の改定で、保険給付の対象が以下の患者に限定されることになりました。
✅ 経管栄養(胃ろう・経鼻経管)の患者
✅ 手術後の患者
✅ 医師が医学的に必要と判断した場合
医師が医学的に必要と判断した場合でも保険が効くなら今までと変わらないのでは?と思われるかもしれませんが、今回の改定では「医学的に必要」と認められる範囲が厳格化されました。
例えば:
・「〇〇病により普通食では誤嚥のリスクが高いため」
・「〇〇病により普通食では栄養状態の維持が困難」
といった具体的な医学的根拠が必要となります。
「食欲がない」「固いものが食べにくい」だけでは「市販の代替食品で対応できるでしょ」として保険適応外となる見直しが行われました。
現場の薬剤師から見た今回の改定への本音
今回の改定について現場では様々な意見が聞こえてきています。
【今回の改定に賛成の意見】
✅ 「市販で代替できる栄養剤に保険を使うのはおかしい。医療費ではなく食費では?」
✅ 「初回に2週間分処方されて一口飲んで不味くて廃棄、という医療費の無駄がなくなる」
✅ 「本来は経管投与の薬。経口服用への保険適応は適正化すべき」
✅ 「経管栄養の患者は保険適応のまま?食費というなら経管でも自費にすべきでは?」
【今回の改定に疑問の意見】
⚠️ 「市販(OTC)薬と同じ議論。市販薬も病院で処方してもらえば保険が効く。整合性は?」
⚠️ 「やっぱり食事が十分に摂れない患者さんへの影響が心配」
⚠️ 「適切な代替品を選べなければ健康維持に影響が出るのでは?」
私自身はどちらかといえば肯定派です。それはこれまで多くの「市販品でも問題ない」患者を見てきたからです。
ただ一定数の患者さんの健康状態に少なからず影響が出てくることを想像すると不安な気持ちももちろんあります。
処方してもらえなくなった場合の市販の代替品
保険適応外となった場合でも、市販の栄養補助食品で代替することはできます。
市販品には処方箋の栄養剤にはないメリットもあります。
✅ 処方箋なしで購入できる(病院受診不要)
✅ フレーバーが豊富で選べる
✅ 1本から試せる(初回廃棄のリスクが少ない)
✅ ドラッグストア・Amazonなどで手軽に購入できる
メイバランスMini(明治)|栄養バランスの良さが魅力
明治が販売する栄養補助飲料で、125mlという少量で200kcalを摂取できます。たんぱく質・脂質・炭水化物・食物繊維・ビタミン・ミネラルの6大栄養素がバランスよく配合されています。実際に病院でも採用されていることが多いです。
フレーバーが8種類と豊富で、ドラッグストアでも購入できます。
こんな方におすすめ:
✅ バランスよく栄養を摂りたい方
✅ゼリータイプ、アイスタイプが良い方
✅ ドラッグストアで手軽に購入したい方


テルミール(ニュートリー)|少量で高カロリーを摂りたい方に
ニュートリーが販売する栄養補助飲料で、100mLで400kcalも摂取できるものがあったりと少量で高カロリーを摂取できるのが特徴です。あまり多くの量を飲みたくない方に向いています。
Amazonや楽天で購入可能です。
こんな方におすすめ:
✅ 少量しか飲めない方
✅ 高カロリーを効率よく摂りたい方


アイソカル100・アイソカルクリア(ネスレ)|味の種類が豊富
ネスレが販売する栄養補助食品で、ドリンクタイプとゼリータイプがあります。
アイソカル100はコーンスープ・コーヒー・ミルクティーなど甘くない風味も含む豊富なフレーバーが魅力です。100mlで200kcalと高カロリーです。
アイソカルクリアはさっぱりとした果汁系の風味で、ミルク系が苦手な方に向いています。
こんな方におすすめ:
✅ ミルク系の甘い味が苦手な方(アイソカルクリア)
✅ ゼリータイプで摂りたい方
✅ 味の種類を楽しみたい方


まとめ|処方してもらえなくなっても選択肢はある
✅ 2026年6月から経口栄養補助目的での処方は原則保険適応外となる
✅ 対象は経管栄養・術後患者・医師が医学的に必要と判断した場合に限定される
✅ 市販の栄養補助食品には処方箋栄養剤にはないメリットがある
✅ フレーバー・形状・カロリー量など自分に合ったものを選べる
「処方してもらえなくなった」という場合でも市販品で対応できることがあります。どの商品が合うかわからない場合はいつでも薬剤師に相談してください。
