実況中継!他職種連携で在宅患者を増やす方法。ケアマネ・訪問看護師との関係の築き方

在宅薬剤師

前回の記事では既存患者さんから在宅参入する5ステップをお伝えしました。最初の一人を獲得できたら、次はそこから間口を広げていくことが大切です。そのカギが他職種連携です。今回は在宅訪問経験約20年の現場目線で、ケアマネ・訪問看護師との関係の築き方をお伝えします。

ケアマネは一人につき30〜40人の担当利用者を抱えています。それだけ介護サービスを利用している高齢者がいれば、薬の管理が必要な方はそれなりにいます。

訪問がスタートしてから、ただ居宅療養管理指導の報告書をメールやFAXで送るだけ。それではその他大勢の薬剤師と変わらず、印象に残りません。やはり直接会って担当利用者のことから話を広げて信頼関係を築いていくことが大切です。自分で事業所に出向かないと、担当者会議くらいしか意外と会う機会がないんです。

ケアマネは担当者会議やモニタリングなどで外出していることが多いので、テレアポを取ってから出向いた方が良いでしょう。手土産などは持っていかなくてOKです。これは経験談ですが、手土産を嫌がられることが結構ありました。

いざ会ってから何を話すか。ケアマネも様々なので一概には言えませんが、まずは利用者の話をしましょう。報告書に載せるような内容ではない些細なことがケアマネにはウケたりします。利用者との会話の中から得られた情報で、薬に関係するところは専門家として、そうではない部分は一社会人として対話することで信頼関係を築きましょう。

「薬の管理で困っている方って結構いるんですか?」とか「今のサービスで問題はないでしょうか?」など話を広げていくと、結構困っている事例はあります。

そしてケアマネは一人で営業している事業所はかなり少ないです。一人のケアマネと信頼関係を築けると、同僚のケアマネからも紹介が来ることはよくあります。

今更ながら言い忘れていましたが、ケアマネに限らず介護関係者と話をするときは患者を「患者」と呼ぶのは基本NGです。「利用者」と呼びましょう。これ結構やりがちな薬剤師がいますが、介護事業者からすると介護サービスの「利用者」であって「患者」ではないからです。間違いではないけれど、私は気をつけています。

訪問看護師は実は敵であることがあります。敵というと言い過ぎなのかもしれませんが、訪問看護師の業務の中に服薬管理というものがあります。実際にお薬カレンダーにセットしたり残薬を処方医に報告したりと、訪問薬剤師の業務に丸かぶりのパターンがあるんです。多くの訪問看護師と会って話をしたことがありますが、中には訪問薬剤師不要説を唱えるような看護師もいました。業務が被っているのに薬剤師も看護師も訪問となれば利用者負担も増えてしまいますしね。

ではどう信頼関係を築いていけばいいか。その一つとして、看護師では分からない副作用や飲み合わせだったり、症状に応じた薬の提案、不要な薬の減薬提案など薬剤師としての専門性を打ち出していくことが大切です。

訪問看護師の中には味方もいます。「私たちは利用者の看護に集中したい。だから薬の管理をしてくれるのは非常に助かる」こう考えている看護師もいます。薬剤師からするとそれほど難しいと感じることがない薬のセットや残薬確認も、看護師からすると非常に手間であったり神経を使う業務であったりします。その一助となれれば信頼関係を築いていくことができると思います。

私は会話の最後に「薬のことは電話でも良いのでいつでも聞いてくださいね」と添えるようにしています。たまに別の薬局で薬を貰っている利用者の相談をされることもありますが、そこは嫌な顔をせず信頼されているんだなぁと快く対応しています。

訪問看護事業所にも出向いてみましょう。やはり共通の利用者の担当者として顔と名前を知ることで関係は深まります。訪問薬剤師に何を求めるかを聞いたり、今現在困っている利用者がいないかを聞いてみると良いでしょう。

在宅訪問経験が浅いと制度のことや知らない専門用語が出てきたりして、相手にあまり良くない印象を与えてしまうかもしれません。もちろん勉強も大事ですが、知らないことは知らない、経験が浅いので色々と教えてほしい、といったスタンスでいきましょう。

訪問看護師、ヘルパーたちは訪問薬剤師と比べてとても過酷な業務を行なっています。リスペクトの気持ちをもって接するよう心がけましょう。

最初の一人から始まった在宅訪問が、ケアマネ・訪問看護師との信頼関係によって広がっていきます。報告書を送るだけでなく、顔を見せて話をする。それだけで他の薬剤師との差がつきます。

最初は上手くいかないこともあります。でも顔を見せ続けることで必ず信頼関係は生まれます。諦めずに続けてみてください。そして他職種へのリスペクトを忘れずに。それが信頼関係の第一歩であり、在宅患者を増やす最大の近道になります。

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