在宅医療への参入を考えている薬剤師・薬局は多いと思います。でも多くの人が最初の一歩で躓きます。
「どうやって患者さんを獲得するの?」
「クリニックにどうアプローチすればいい?」
「断られたらどうしよう…」
私も最初はそうでした。今回は実際にやってみてわかった、在宅患者獲得までのリアルな道のりを在宅訪問経験20年の私がお伝えします。
まずネットで「訪問診療」と検索してみよう
最初にやったことはシンプルです。Googleで「訪問診療 ○○市」と検索しました。それだけです。
近年は訪問診療に特化したクリニックが増えています。そういったクリニックはホームページも充実していて、連絡先も載っています。まず地域のクリニックをリストアップするところから始めましょう。
・検索キーワード例:「訪問診療 ○○市」「在宅医療 ○○区」
・訪問診療特化クリニックは薬局との連携に積極的なケースが多い
・まず3〜5件リストアップするところから始めてみる
名刺と手土産を持って、ドアを叩く
アプローチ方法はテレアポやメールも悪くありませんが、私は飛び込み営業を選びました。
持参したもの:名刺・手土産(手土産はあればベター程度)
最初に会えた人:院長(開業したばかりのクリニックだったことも大きい)
最初に話したこと:「今後在宅医療に力を入れていきたい」という想い
正直、最初の反応はとても好印象とはいきませんでした。でもすぐに依頼が来ました。
なぜすぐ依頼が来たのか?
そのクリニックの院長が特定の薬局だけと取引するという考えではなかったこと。そして訪問診療特化のクリニックは「きちんと仕事をしてくれる薬局であればどこでもいい」というスタンスのところが多いのが実態です。
つまり、最初の一歩を踏み出すかどうかが全てなんです。
「きちんと仕事をする」とは何か?
依頼が来てからが本番です。「きちんと仕事をする薬局」として信頼を得るために私が意識していることをお伝えします。
【迅速な対応・即日配達】
在宅患者さんは「今日必要」なケースが多い。スピードは信頼の第一歩です。
【24時間対応】
夜間や休日でも相談できる体制を整えておくことが重要です。医師からの信頼に直結します。
【医師への的確なフィードバック】
訪問時に気づいた患者さんの変化や服薬状況を医師に報告する。薬剤師だからこそできる情報提供が連携を深めます。
【麻薬の取り扱い】
在宅では麻薬が必要な患者さんも多い。麻薬小売業者の免許取得と適切な管理は必須です。実際に飛び込み営業した時に麻薬は取り扱えるか?と聞かれました。
【飲み忘れ・見間違いをなくす工夫】
在宅患者さんへの服薬支援で私が特に意識しているのがここです。
・一包化はマスト:複数の薬を一袋にまとめ、飲み間違いを防ぐ。分包紙への印字にもこだわる。
・服薬カレンダーを積極活用:いつ飲んだか視覚的に確認できる。
・多職種との連携:ヘルパー・看護師・ケアマネと情報共有して服薬管理をチームで支える。
最初の一歩を踏み出すことが全て
在宅患者獲得への道は、思っているほど高いハードルではありません。
ネットで検索して、名刺と手土産を持って、ドアを叩く。それだけです。
訪問診療クリニックは「きちんと仕事をしてくれる薬局」を求めています。
まず一歩踏み出してみてください。
在宅への第一歩は、思っているより小さな一歩です。まず動いてみてください。ただもちろん実務は甘くないので覚悟も大事です。
次回は「やっぱり飛び込み営業は難しい…」という方でも実践できる在宅参入の方法をお伝えします。お楽しみに!

