実況中継!片頭痛の正しい治療とトリプタンの飲み方。新薬CGRP受容体拮抗薬についても解説します

薬の話

前回の記事で薬物乱用頭痛についてお伝えしました。今回はその続きとして、片頭痛の正しい治療方法と薬の使い方についてお伝えします。

特にトリプタン製剤の飲むタイミングについて間違えている方が多く、現場でよく目にします。また近年では新しい治療薬も登場しています。片頭痛に悩んでいる方はぜひ最後まで読んでください。

片頭痛は頭の片側または両側がズキズキ・ガンガンと痛む神経疾患です。日本では成人の約8.4%が罹患しており、特に20〜50代の女性に多い疾患です。

片頭痛の主な症状:
・片側または両側のズキズキした痛み
・4〜72時間続く
・吐き気・嘔吐を伴うことがある
・光・音・においに敏感になる
・日常動作で悪化する

前兆(閃輝暗点など)について:
片頭痛の前に視野にギザギザした光が見える「閃輝暗点」などの前兆が現れる方がいます。この前兆の段階ではまだ頭痛が始まっていないため、この時点でのトリプタン服用はNGです。

現場で最もよく見る間違いがトリプタン製剤の飲むタイミングです。

閃輝暗点などの前兆が出た段階で飲んでしまっている方が多いです。前兆はまだ頭痛が始まっていない段階です。この時点で飲んでも効果が出にくく、かえって薬の無駄遣いになってしまいます。

トリプタン製剤の正しい飲み方:
✅ 前兆(閃輝暗点など)の段階では飲まない
✅ 頭痛が始まったら早めに飲む
✅ 痛みが強くなってから飲んでも効果が出にくい
✅ 月に10日以上の服用は要注意(薬物乱用頭痛のリスク)

2025年9月、片頭痛治療に新しい薬が登場しました。「ナルティーク(リメゲパント)」という経口CGRP受容体拮抗薬です。

ナルティークの特徴:
✅ 国内初の経口タイプのCGRP受容体拮抗薬
✅ 急性期治療と予防の両方に使える
✅ 血管収縮作用がないため脳卒中・心臓病リスクがある方にも使用できる可能性がある
✅ 水なしで飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)

これまでのCGRP関連薬はすべて注射剤で予防目的限定でした。経口で急性期治療と予防の両方に使えるのは画期的です。

【費用について】
ナルティークは新薬のため費用が高めです。

・急性期治療(発作時のみ):1錠約877円(3割負担)
・予防薬として(隔日服用):月約13,000円(3割負担)

トリプタン製剤のジェネリックが1錠数十円〜百円程度であることを考えると、費用の差は大きいです。ライフスタイルや経済的な状況を踏まえて、医師とよく相談のうえ選択してください。

正直なところ、私自身はまだナルティークの調剤経験がありません。新薬のため処方できる医師も限られています。気になる方は頭痛専門医への受診をおすすめします。

トリプタン製剤が向いていない・効かない方:
✅ 脳卒中・心臓病のリスクがある方
✅ トリプタンで副作用が出た方
✅ トリプタンの効果が不十分な方

予防薬を検討している方:
✅ 月に10日以上頭痛がある方
✅ 薬物乱用頭痛が心配な方
✅ 注射が苦手で予防薬を諦めていた方

片頭痛の治療は年々進歩しています。トリプタン製剤の正しい飲み方を知るだけでも大きく改善する方がいます。また新薬の登場により、これまで治療が難しかった方にも新しい選択肢が生まれています。

「頭痛くらいで病院に行くのは大げさかな」と思わずに、一度頭痛専門医に相談してみてください。

片頭痛の治療は今まさに進化しています。これまで治療を諦めていた方にも新しい選択肢が生まれています。片頭痛に悩んでいる方が、この記事をきっかけに正しい治療に出会えることを願っています。

タイトルとURLをコピーしました