かかりつけ薬剤師指導料が廃止。現場の意見は?正直に答えます。

調剤報酬改定

2026年6月の調剤報酬改定で、これまで独立した区分として存在していた「かかりつけ薬剤師指導料」が廃止され、服薬管理指導料に統合されました。

「廃止」と聞くと後退のように感じるかもしれませんが、実態は少し違います。現場の管理薬剤師として感じたことを正直にお伝えします。

これまでのかかりつけ薬剤師指導料は、患者さんと同意書を交わしたうえで算定する仕組みでした。今回の改定でこの仕組みが大きく変わりました。

【改定前】
・かかりつけ薬剤師指導料(76点)として独立した区分で算定
・患者と同意書を交わすことが必須
・同意書の保管が必要

【改定後】
・服薬管理指導料に統合・一本化
・同意書が廃止→お薬手帳への記載+コピー・画像保管に変更
・介入実績(処方提案・残薬調整など)が点数に直結する仕組みに

正直に言うと、これは現場としてありがたい変化です。

これまでの同意書方式は、患者さんに「書類にサインをお願いします」と伝える必要があり、心理的なハードルがありました。特に高齢の患者さんには「何に同意するの?」と不安を感じさせてしまうこともありました。

実際にこんなことがありました。かかりつけ薬剤師の同意を取ろうと丁寧に説明したのですが、高齢の患者さんには内容が伝わりにくく「やっぱりいいです」と断られてしまったことがあります。本来その患者さんにこそかかりつけ薬剤師が必要なのに、同意書という仕組みがかえって壁になっていたんです。

同意書がなくなったことで、より自然なコミュニケーションの中でかかりつけ薬剤師としての関係を築きやすくなりました。これは患者さんにとっても薬剤師にとっても良い変化だと思います。

良い変化がある一方で、現場として頭を抱えているのがこれです。

同意書の代わりに、お薬手帳へ必要事項を記載し、そのコピーまたは画像を保管することが求められます。

同意書1枚にサインをもらう方がよほどシンプルだったのでは?と正直思います。

厚労省は「対人業務を充実させろ」と言います。その方向性は正しいと思います。でも対人業務を充実させるためには、事務的なひと手間を減らすことが先決ではないでしょうか。

薬剤師が患者さんと向き合う時間を増やしたいなら、記録・保管の手間を増やすのではなく、システムで自動化できる仕組みを整えるべきです。現場の負担を増やしながら対人業務の充実を求めるのは、矛盾していると感じます。

かかりつけ薬剤師制度には以前から腑に落ちないことが多くあります。でも、かかりつけ薬局を持つことは患者さんにとって本当に大きなメリットがあると思っています。

私が思う理想は、特定の薬剤師ではなく、かかりつけ薬局の薬剤師全員がその患者さんのかかりつけ薬剤師として向き合うことです。そちらの方がよっぽど患者さんのためになるのではないでしょうか。

制度の議論はこれからも続きます。現場の声を発信し続けることが、より良い制度づくりにつながると信じています。

あなたの職場ではかかりつけ薬剤師制度についてどう感じていますか?ぜひコメントで教えてください。

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