ニキビの治し方を薬剤師が解説|市販薬と処方薬の違い・正しい選び方まで

薬の話

【この記事でわかること】

✅ 白・黒・赤・黄ニキビの違いと正しい対処法
✅ 日本のニキビ治療は2008年に大革命が起きた
✅ 処方薬と市販薬の違いをガイドラインの推奨度で比較
✅ ニキビ治療で最も大切なのは毎日塗り続けること
✅ 市販のチョコラBBはガイドラインで推奨されていない

「ニキビが気になるけど市販薬で大丈夫?」「病院に行くべき?」——そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

実は日本のニキビ治療は2008年以降に大きく進化しました。以前は赤く腫れてから抗生剤を塗るだけの治療しかできませんでしたが、今では白ニキビの段階から予防的に治療できる時代になっています。

この記事では、ニキビの種類・市販薬と処方薬の違い・日本皮膚科学会のガイドラインに基づいた正しい治療法をわかりやすく解説します。

ニキビの種類を知っておこう

ニキビは段階によって種類が異なります。どの段階かによって適切な治療法も変わってきます。

🔴 白ニキビ(閉鎖面皰)
肌のターンオーバーが乱れて毛穴の出口が詰まり、中に皮脂が溜まってぷくっと白く盛り上がった状態です。痛くも痒くもないため放置しがちですが、これがニキビの始まりです。

🟡 黒ニキビ(開放面皰)
毛穴が少し開いて、詰まった皮脂が空気に触れて酸化し黒く見えている状態です。ホクロやシミと勘違いされることもあります。

🟠 赤ニキビ(炎症性皮疹)
白・黒ニキビを放置するとニキビ菌が皮脂を食べて大繁殖し、炎症を起こした状態です。赤く腫れて痛みを伴います。

🔴 黄ニキビ(膿疱)
赤ニキビがさらに悪化して化膿した状態です。跡が残りやすくなるため早めの治療が必要です。

Ph.そら
Ph.そら

一般の方は「赤く腫れて膿が出たもの」だけをニキビと思いがちですが、皮膚科の医学的な定義では白ニキビ・黒ニキビの段階からすでにニキビの始まりです。痛くも痒くもない白ニキビを放置すると、やがて赤ニキビ・黄ニキビへと悪化してしまいます。白ニキビの段階で早めに対処することが、将来のニキビ跡を防ぐための一番の近道です。

日本のニキビ治療の歴史|薬剤師20年の経験から

私が薬剤師として働き始めた約20年前、ニキビの治療といえばアクアチムやダラシンTゲルといった外用抗生剤を赤く腫れたニキビに塗るだけでした。つまり「赤くなってから病院に行く」のが当たり前の時代でした。

🔴 2008年|ディフェリンゲル登場
2008年にアダパレン(ディフェリンゲル)が日本で発売され、ニキビ治療に大革命が起きました。それまで日本には「毛穴の詰まり(面皰)を根本から治す塗り薬」が1つもありませんでした。ディフェリンの登場により「白ニキビ・黒ニキビの段階で毛穴を開いて治す」という予防的な治療が初めて可能になったのです。点ではなく面で塗る、治療と予防を兼ね備えた画期的な薬でした。

🟡 2015年|ベピオゲル登場
外用抗生剤を使い続けると耐性菌が生じて効かなくなるという問題がありました。2015年に発売されたベピオゲル(過酸化ベンゾイル)はフリーラジカルという物理的なパワーで菌を殺すため、何年使っても耐性菌ができないという画期的な薬です。

🟢 現在|治療の選択肢が大幅に拡大
その後アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤(エピデュオ)、クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルの配合剤(デュアック)も発売、さらには副作用であるレチノイド反応(ヒリヒリ・ほてりなど)対策として保湿剤の添加されたベピオローションや洗顔タイプのベピオウォッシュゲルまで登場し、今では患者さんの肌質や生活スタイルに合わせた治療ができるようになっています。

Ph.そら
Ph.そら

私自身も過去に額のぶつぶつが気になってベピオゲルを使用した経験があります。1〜2週間くらいで額のぶつぶつがほとんどなくなり、よく効いた記憶があります。レチノイド反応が心配な方は最初から保湿剤を併用するか、ベピオローションやベピオウォッシュゲルから始めてみるのも一つの方法です。

処方薬の種類と選び方

ニキビの処方薬は大きく外用薬と内服薬に分けられます。日本皮膚科学会のガイドラインでは推奨度が設定されており、推奨度Aが最も強く推奨される治療です。

推奨度薬剤名市販/処方対象・備考
Aディフェリン(アダパレン)処方面皰・炎症性皮疹
Aベピオ(過酸化ベンゾイル)処方面皰・炎症性皮疹・耐性菌なし
Aエピデュオ(アダパレン+べピオ配合)処方面皰・炎症性皮疹
Aデュアック(クリンダマイシン+べピオ配合)処方炎症性皮疹
A外用抗生剤単剤(クリンダマイシンなど)処方炎症性皮疹のみ・耐性菌に注意
C1イブプロフェンピコノール配合薬(ペアアクネクリームWなど)市販軽症の炎症性皮疹
C1イオウ製剤市販/処方ニキビ全般
C2ビタミンB・C(チョコラBBなど)市販推奨しない
Ph.そら
Ph.そら

チョコラBBなどのビタミン薬は「ニキビに効く」というイメージが広く知られていますが、日本皮膚科学会のガイドラインでは推奨度C2、つまり「行ってもよいが推奨はしない」という評価です。飲んでいる方も多いと思いますが、ガイドラインに基づいた治療を優先することをおすすめします

内服薬が必要なのはどんな場合?

外用薬だけでは改善が難しい中等症〜重症の炎症性皮疹がある場合に内服薬が検討されます。内服薬は主に抗生剤が使われます。

🔴 ドキシサイクリン(推奨度A)
最も強く推奨される内服抗生剤です。抗菌作用に加えて抗炎症作用も期待できます。

🟡 ミノサイクリン(推奨度A*)
ドキシサイクリンと同等の効果がありますが、めまい・色素沈着などの副作用がドキシサイクリンより多いため推奨度がやや劣ります。

🟢 ロキシスロマイシン・ファロペネム(推奨度B)
マクロライド系・ペネム系の抗生剤です。ドキシサイクリンが使えない場合などに選択されます。

⚠️ 注意点
内服抗生剤は耐性菌の観点から長期使用は避けることが推奨されています。目安は3カ月以内とされており、必ず外用薬と併用することが重要です。

ニキビ治療を続けるコツ

薬剤師として多くのニキビ患者さんを見てきて感じるのは、治療がうまくいかない最大の原因は「塗り続けられないこと」です。

特に中高生に多いのですが、以下のような理由で治療が途中でストップしてしまうことがよくあります。

✅ 赤く腫れていない白ニキビは気にならないので塗り忘れる
✅ 毎日塗るのが面倒になってしまう
✅ レチノイド反応(ヒリヒリ・乾燥)が嫌で塗るのをやめてしまう

Ph.そら
Ph.そら

ニキビ治療は「赤くなってから塗る」ではなく「毎日続けて予防する」という意識が大切です。白ニキビの段階から毎日塗り続けることで赤ニキビへの悪化を防ぐことができます。レチノイド反応が気になる方は保湿剤を併用することで副作用を和らげることができますので、皮膚科や薬局で相談してみてください

まとめ

ニキビ治療は白ニキビの段階から始めることが大切です。

✅ 白・黒ニキビ(面皰)の段階から治療を始めることが大切
✅ 2008年のディフェリン登場で日本のニキビ治療は大きく進化した
✅ ガイドラインで最も推奨されるのはディフェリン・ベピオ・エピデュオ・デュアック
✅ 外用抗生剤単剤の長期使用は耐性菌のリスクがあるため注意
✅ 中等症以上では内服抗生剤が必要になることがある
✅ チョコラBBなどのビタミン薬はガイドラインで推奨されていない
✅ 治療成功のカギは毎日塗り続けること

市販薬で2週間改善しない場合は皮膚科への受診をおすすめします。薬の選び方や使い方に迷ったときはお気軽に薬局の薬剤師に相談してください。

Ph.そら
Ph.そら

ニキビ跡、いわゆるクレーターになってしまうと薬で治す方法はありません。美容皮膚科の医療機器による治療は強い痛みを伴ったり、費用も高額です。そうならないためにも早めの治療、そして予防が大切です。ネットの怪しい商品に手を出す前に、まずは皮膚科を受診してみてください。

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