この記事では服用薬剤調整支援料2の改定内容と、実際に算定経験のある私自身の率直な意見をお伝えします。
2026年度調剤報酬改定で服用薬剤調整支援料2の要件が大幅に見直され、1000点という高額な点数が新設されました。適用は2027年6月からと先の話ではありますが、算定要件の詳細が厚労省の告示・通知で明らかになりました。
実際にこの加算を算定したことがある立場から率直に言うと、
1000点でも割に合わない!!!
と感じています。その理由を改定内容とあわせて解説します。
服用薬剤調整支援料2とは
服用薬剤調整支援料2は、複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている患者に対して、薬物療法の適正化を支援した場合に算定できる加算です。
服用薬剤調整支援料1との大きな違いは、実際に2種類以上の減薬が行われた場合に算定できる「1」に対して、「2」は実際に減薬に至らなくても算定できる点です。
ただし個人的には、結果として減薬に至った「1」の方が価値は高いはず…
なぜ今回の改定により「2」の方が点数が高くなったのか疑問を感じています。
2026年改定での変更点
今回の改定での主な変更点は以下の通りです。
✅ 点数が新設され1000点に(改定前と比較して約10倍)
✅ 算定要件にかかりつけ薬剤師であることが追加
✅ 所定の研修修了または老年薬学認定薬剤師であることが必要
✅ 地域支援体制加算の算定要件から除外
✅ 適用開始は2027年6月から
点数だけ見ると大幅アップに見えますが、算定要件が格段に厳しくなっています。また今回の改定で地域支援体制加算の算定要件から除外されたことで、この加算に取り組む動機がさらに薄れたと感じています。

単発の1000点に魅力を感じる薬剤師はどれくらいいるのでしょうか。これまでは地域支援体制加算の算定要件に含まれていたため取り組んできましたが、今回の改定で要件から除外されたことでますますこの加算自体に疑問を感じています。
算定要件の詳細
今回の改定で新たに必要となる要件は以下の通りです。
🔴 かかりつけ薬剤師であること
🟡 以下のいずれかの研修・資格を有すること
✅ 日本老年薬学会が提供する「老年薬学服薬総合評価研修会」の修了
✅ 日本老年薬学会が定める老年薬学認定薬剤師であること
🟢 研修修了の受講資格
✅ 薬剤師免許を有し、臨床実務経験5年以上
✅ JPALS認定薬剤師CLレベル6または日本医療薬学会認定の専門薬剤師
✅ 薬剤師生涯学習達成度確認試験に合格していること
上記3つの条件を全て満たす必要があります。
研修の詳細
算定要件となる「老年薬学服薬総合評価研修会」の概要は以下の通りです。
📅 開催予定
✅ 年4回程度
✅ 初回開催:2026年8月(募集開始は6月予定)
✅ 開催地:東京
✅ 定員:150人
💰 受講料
✅ 日本老年薬学会会員:20,000円(税込)
✅ 非会員:25,000円(税込)
📝 研修内容
講義研修と演習研修で構成され、終了後はレポート提出と学会による評価があります。修了書の有効期間は交付日が属する年度末から5年間です。
老年薬学認定薬剤師になるには
研修修了の代わりに老年薬学認定薬剤師の資格でも算定要件を満たせますが、取得要件は以下の通りです。
✅ 薬剤師免許取得後3年以上経過していること
✅ 3年度以上引き続き日本老年薬学会の一般会員であること(年会費5,000円)
✅ 高齢者の薬物療法に直接寄与した症例を10症例報告できること
✅ 学会指定の研修で所定の単位数を取得していること

研修・資格のどちらのルートも相当なハードルがあります。かかりつけ薬剤師の要件も加わることを考えると、実際にこの加算を算定できる薬剤師はかなり限られてくるのではないでしょうか。
算定にかかる手間のリアル
みなさんはこの加算を算定したことがありますか?
私は加算1は10回弱ほどありますが、加算2は3回しか算定したことがありません。
算定したことがない方のために算定の流れをざっくりと説明します。
1️⃣多剤服用患者のピックアップ
複数の医療機関から内服薬が合計6種類以上処方されている患者を把握する。
2️⃣ 一元的把握
お薬手帳の確認・処方経緯の把握・患者からの聴取など、詳細な情報収集を行う。
3️⃣問題点の抽出
重複服用・相互作用・副作用の発現など、薬学的な観点からの評価を行う。
4️⃣医師への文書による提案
問題点をまとめた文書を作成し、処方医に減薬提案する。
世の中の薬剤師の方々はこれら全ての作業を行うのにどの程度時間がかかるのでしょうか?
私は3回の算定経験しかありませんが、毎回全ての作業を終えるのに半日〜数日はかかりました。
1000点…
単発の1000点に私はまったく魅力を感じません。
まず算定対象となる患者さんがみなさんの薬局には何人いらっしゃるでしょうか?
その中で処方内容に問題のある患者さんは?
研修に数万円の費用を払ってまで取り組む価値が私には理解できません。
まとめ
服用薬剤調整支援料2の2026年改定のポイントをまとめます。
✅ 2027年6月から1000点に大幅アップ
✅ かかりつけ薬剤師+所定の研修・資格が必要
✅ 地域支援体制加算の算定要件から除外
✅ 研修は東京開催・定員150人・受講料2万円以上

今回の改定は全体的に見ても非常に厳しいものになったと感じています。
あくまで個人の見解を述べさせて頂きましたが、薬剤師としての使命感に欠ける内容と言われればその通りかもしれません。
ただ若手の薬剤師さんたちはベースアップ加算で給料が上がることで喜んでいるのかもしれませんが朝三暮四とならないよう今後の流れを深く考えて頂けたらと思います。

